山梨大学工学部

卒業生・修了生 教職員

工学部で育てられ,工学部で育てる

古屋 貴彦

フルヤ タカヒコ

 工学部創立100周年、誠におめでとうございます。このような大きな節目に立ち会えることを、本学工学部の現役教員として大変喜ばしく思います。
 私は、本学工学部のコンピュータ・メディア工学科の卒業生でもあります。私が入学した2003年頃は、WindowsXP搭載のPCやPlayStation2といったゲーム機が普及するなど、日常的にコンピュータプログラムに触れる機会が増えていました。「プログラミングって何だか面白そう」というだけの理由で本学科を選択しました。高校の頃の成績が悪くプログラミングも未経験だった私は、授業についていくことに大変苦労しました。宿題が課される度に、クラスメイト達とKKIと呼ばれる学科専用の計算機室に夜遅くまで居残って取り組んだことを今でも覚えています。4年生になって配属された研究室では、研究という答えのない問いを突き詰めることの面白さを知りました。修士の先輩の助けもあって私は研究にのめり込み、私も本学の修士課程に進学しました。企業に就職してからも研究のことが忘れられず本学の修士課程に進学し、今日に至ります。成績が悪い落ちこぼれの学部生だった私を、ここまで育て上げてくださった先生方、特に、学生時は指導教員であり教員着任後は共同研究者・上司であった大渕竜太郎先生に、心より感謝申し上げます。
 かれこれ20年間本学に通っていますが、大渕先生をはじめ、私を導いてくださった先輩の先生方の中にも、定年を迎えられ本学を去られる方が徐々に増えています。こうした素晴らしい先生方のもとで学び、一緒に仕事ができたことを大変誇りに感じます。これからは私が本学工学部で学生達を育成する番です。近年は人工知能(AI)ブームもあって情報分野で求められる人材像が目まぐるしく変化していますが、学生達に身につけて欲しいのは、変化し続ける社会に適応し貢献できる能力です。現在様々な企業において、先輩の先生方の指導のもとで育った数多くの卒業生が活躍しています。私も先生方に負けぬよう、高い適応力と独創性を発揮できる人材の育成に努めたいと考えています。これからも本学工学部から優れた技術者が多数輩出できるよう、微力ながら自身の全力を傾注する所存です。

2008年コンピュータ・メディア工学科卒業、2010年大学院修士課程修了、2015年大学院博士課程修了

山梨大学大学院総合研究部工学域 電気電子情報工学系  准教授