山梨大学工学部

卒業生・修了生

工学部時代の思い出

清水 瞭

シミズ リョウ

・高校時代(日川高校)の志望校は難関大学であったが、山梨大学志望に高校3年の冬に変更したのを今でもよく覚えている。その時に恩師と約束した”難関大学に進んだ者たちと将来肩を並べられるように精一杯山梨大学で学ぶ”これを胸に山梨大学工学部に入学した。
 山梨大学では工学部クリーンエネルギー特別教育プログラム(6年一貫)を選択し、太陽電池と燃料電池の研究に学部1年時から触れてきた。初めて参加した研究室のイベントにおける教授陣の愉快な雰囲気を信じていた自分が少し懐かしい。学部3年後期から本格的に研究室に所属することとなり、最先端の技術と設備を有する燃料電池ナノ材料研究センターにて燃料電池の研究を専攻することを選択した。研究を通じてナノスケールにおける材料特有の面白さにどんどん惹かれていった。
 大学院入学時に自身にとってまたとないチャンスが訪れた。数ある大学の中から山梨大学工学部が文科省の特別教育プログラムに採択された。修士博士課程一貫の教育プログラムである。高校時代に志望していた難関大学らも採択されており肩を並べられる機会ができた。燃料電池について更に知識を深めていきたいと考えていたためこの特別プログラムを志望しない理由がなく迷わず博士課程まで進む選択をした。この教育プログラムにおいては、修士時代に国内企業への1か月のインターンシップ、博士時代に半年間の海外研究機関へのインターンシップが組み込まれていた。国内企業としては産業総合技術研究所へ、海外研究機関としてはスイスにあるPSI(Paul Scherrer Institute)へ身を置き燃料電池だけでなく材料について幅広く学んだ。国内だけでなく海外の研究者たちも目の当たりにし、視野が世界へと一気に広がっていった。またプログラム内で国際学会を主催する機会もあり世界の研究者とより一層繋がれた。博士課程3年の時にはPSIと山梨大学で共同研究していた成果で国際学会に参加し、ポスター発表において最優秀賞を受賞した。輝かしい賞を受賞でき、指導教員である内田誠教授をはじめとした教授陣に感謝をしている。
 この9年間山梨大学工学部で学んだことで、国内だけでなく海外を含めた世界の最先端に身を置くことができ、山梨から全国さらには世界へとつながり入学時の目標以上のことを達成できたと思う。現在は、燃料電池自動車(FCEV)の研究開発をトヨタ自動車(株)で行っている。企業に入ってからも積み上げた知識と大学時代の経験を存分に活かせられている。事あるごとに山梨大学の技術と設備が他機関と比較しても最先端であることを実感してもいる。今後も山梨大学工学部の看板を背負って研究開発に尽力していきたいと考えている。

山梨大学の水素・燃料電池ナノ材料研究センターは世界の中でもトップレベルであり、現在山梨県における水素事業に大いに携わられていることを耳にしている。今後も産官学連携で一緒に研究を進めていけることを楽しみにしております。
今後の山梨大学工学部の益々のご盛隆を願いここに寄稿文とさせていただきます。

最後に、
自身にとって山梨大学を選択し地元の山梨で長い大学生活(9年間)を過ごしたことは一生の宝物となった。今回書ききれなかったが学部時代に大学の留学プログラムでカナダに行ったこと、趣味のサッカーを山梨県社会人チームで長く続けられたこと、地元の友達との無尽、などなど他県に出ていては経験できなかったことを数多く経験できたことで人間性を大いに成長させられた。今後山梨大学を選択する学生、特に地元の学生が増えていくことを願っている。

 

2014年工学部クリーンエネルギー特別教育プログラム卒業、2016年大学院修士課程修了、2019年大学院博士課程修了

トヨタ自動車株式会社 勤務