山梨大学工学部

卒業生・修了生

次を創る学び舎ー 山梨大学工学部 ー

内田 美希

ウチダ ミキ

 

 この度は、山梨大学工学部創立100周年誠におめでとうございます。
 私は2016年に山梨大学工学部応用化学科に入学、2020年に山梨大学大学院の修士課程に進学し、2022年に卒業しました。現在は生まれ育った山梨を離れ、化学メーカーで日々仕事に励んでいます。卒業から約2年が経ち、山梨大学で学び友人と語り合った日々をとても懐かしく思います。
 山梨大学工学部では、キャッチコピーでも取り上げられている通り、エンジニアリングの育成に力を入れていると感じていました。エンジニアリングとは数学・化学・物理などの基礎科学を習得し、それらを応用してより豊かな人間の生活への実用化を目指す学問だと考えています。したがって、ただ学ぶだけではなく、自己の発明を発信する能力や、他者との交流を円滑に進めるコミュニケーション能力など、多様な力を養う必要がありました。それを達成するため、山梨大学工学部では特色のある教育体系が運営されていました。
 まず授業においては、少人数教育が実施されており、学生3~4人に対し教員が1人と非常に密度の高い教育がされていたと思います。また、授業等で不明点があれば、共創学習支援室フィロスを利用することもできました。他学部の学生や、幅広い知見を持つ教員との議論は、時間を忘れるほど充実した学びの空間でした。
 自主性を育てる取り組みとしては、反転授業が印象深く残っています。通常一斉講義が行われた後、個人で演習を実施するところ、反転授業では、動画で講義を視聴した後、アクティブラーニングによって演習・議論を行うという内容を実施していました。当時、自身の考えを他者に伝えることに苦手意識があった私は、不安を持ちながら講義に出席していました。しかし、回数を重ねるごとに、教員の手助けもありグループ内での議論に積極的に参加できるようになりました。疑問点をその場で話し合いながら解決を目指すため、習得も早く、お互いの得意不得意を活かすことが出来るいい体験でした。
 その他の思い出として、モノづくりゼミがあります。モノづくりゼミは、他学科の学生と交流しながら、様々なモノづくりを体験するカリキュラムです。私が取り組んだ陶芸の他、ガラス細工や電子回路の組付けなど多様な分野のプロジェクトに取り組むことが出来ました。授業よりもカジュアルに教員や学生と交流が出来たため、学生生活の悩みやたわいない会話ができる憩いの場でした。
 これらの授業・活動の中で私はより多くの学びを得て、技術者としても人としても大きく成長することが出来ました。山梨大学工学部は私やほかの学生のように、未熟だった若者が、学び、成長し、素晴らしい教員や友人と出会う場所、そして未来を想像し飛躍する場所でした。100年という時を経て培ってきた学びの場に在籍できたこと、またその歴史の一部として4年間を過ごせたことを私はとても幸せに感じます。そしてこれからもその歴史は続き、次の100年を創る飛躍の場であることは変わらないでしょう。2024年山梨大学工学部は100周年となりましたが、新年度より、教育体制の大きな改革が行われることを知りました。今までもこれからも進化を続けていく山梨大学工学部の学生であることを、とても誇りに思っております。  
 最後に一卒業生として、記念の節目にこのような機会を頂けたことを嬉しく思います。山梨大学工学部の今後の益々のご発展を祈念してお祝いのメッセージとさせて頂きます。

2020年工学部応用化学科卒業、2022年大学院修士課程修了

化学メーカー勤務