山梨大学工学部

卒業生・修了生

山梨大学 学生時代の思い出

田辺 英義

タナベ ヒデヨシ

 山梨大学工学部創立100周年おめでとうございます。先日(令和5年11月4日)、無機合成研究施設設置60周年およびクリスタル科学研究センター改組20周年の記念講演が、山梨大学大村智記念学術館大村記念ホールで開催され、研究室の卒業生代表として講演をさせていただきました。当日は、大学祭「梨甲祭・梨医祭」も開催されており、多くの屋台もあり学生みなさんの活き活きとした姿を見ることができました。
 当時の事を思い返すと、戦国時代の武将、武田信玄公が特に好きで武田神社の近くで必死にアパートを探した記憶があります。入学式で仲良くなった同級生と居酒屋で飲んでいた時に、たまたま同席して意気投合した先輩が合唱団の方で、全く経験のない文科系しかも合唱団に勢いで入ってしまいました。コンクールや定期演奏会など多くの感動や充実感を味わうことができ、工学部や教育学部の多くのかけがえの仲間も得ることができました。家庭教師や夏休みの工事現場などバイトも経験し、近くは昇仙峡や富士五湖、遠くは北海道のバイクツーリングなども楽しむことができました。大きくて美しい富士山は見えるし、果物やワインは美味しいし、山梨がとても好きでした。
 大学4年生から博士後期課程では、無機合成研究施設の兒嶋研/田中研で酸化物高温超伝導体の単結晶育成に関する研究をさせていただきました。花見や他研究室とのソフトボール大会、研究室の旅行等、楽しいイベントも数多く経験し楽しい思い出ばかりです。海外での学会発表や、UBC大学(カナダ)約1ヶ月滞在も体験させていただきました。研究を通じて、真面目に努力すること、諦めずに頑張ることの大切さを学ぶことができました。たとえ技術的な大きな壁があったとしても突破口は必ずあり、頑張り続けることで自分の想いは必ず達成できることも肌で感じることができました。
 企業に入ってからも結晶に関係する研究開発を続けています。研究者としての基本スタンスは、学生時代に学んだことと同じであると実感しています。なぜそれを研究開発しなければならないのかという信念=大義名分をしっかり持ち、世のため人のために自分の技術を磨いて活かし、人類・社会の進歩発展に貢献すること。大学は真理探究、会社は利益追求、違いはあるかもしれませんが、真摯な取組み姿勢は同じであると考えています。
 山梨大学での貴重な体験があったからこそ、今の自分もあると感謝しています。学生の皆さんは大いに学生時代を楽しみ、我々卒業生は山梨大学で学んだことに誇りを持ち続けることが大事であると思っています。

1993年工学部化学生物工学科卒業、1995年大学院修士課程修了、1999年大学院博士課程修了